医師としての第一歩を後押ししたい
信楽園病院は1931(昭和6)年に結核患者静養施設として開設されたのが始まりで,今年で創立91周年を迎えます.約80万人の人口を有する政令指定都市新潟市で地域の二次救急医療を担っており,外来血液浄化療法ベッド150床を有する入院病床数325,標榜科数23の中規模民間病院です.1968(昭和43)年に当時黎明期であった腎不全患者に対する血液浄化療法を開始し半世紀以上経ち,2006(平成18)年に現在の新潟市西区新通南に新築移転,同時に新潟県下初の電子カルテシステム・オーダリングシステム・フィルムレスシステムを導入し,新潟県医療機関ICT化の魁となりました.新病院の血液浄化療法室は約1,000㎡の面積に150床のベッドを有しており,まさに圧巻の光景で全国でも指折りの施設と自負しています.
救急車搬送は年間2,000件を超え,多くの症例が集まり豊富な症例を経験することができます.循環器内科の冠動脈インターベンションは県内でも有数の症例数を誇り,消化器内科は消化器外科と連携し,内視鏡・腹腔境・開腹術等全般をフォローしています.呼吸器内科は以前から感染症診療に力を入れており,特にこの2年間は新型コロナウイルス患者の診療はもちろん,感染制御部の中心として病院内や関連施設の感染対策にも尽力しております.糖尿病・内分泌内科は多様な内分泌疾患に対し栄養科と共同で栄養指導や血液浄化療法導入予防等を行い,多くの患者さんをフォローしています.脳神経内科は脳神経外科及びリハビリテーション科と連携し脳血管障害,認知症,神経変性疾患等幅広く診療しており,当院の訪問看護ステーションと共に在宅診療も行っています.さらに放射線診断科・麻酔科・病理診断科に常勤の専門医を配置し,質の高い診療を提供しております.また,今は新型コロナウイルス感染のため制限もありますが,国内学会のみならず国際学会への演題応募も推奨し,学会参加も援助しています.
当院における研修では,医師としての基礎的な知識や技術の習得,そして専門医に向けての様々な研鑽を積むことが必要ですが,「全人的医療」そして「社会人としての医療人」といった観点を重視しています.医療には医師の的確・迅速な診断・治療が求められますが,同時に数多くの職種との連携が必要となります.上級医・研修医同士など医師間でのコミュニケーションはもちろん,看護師・薬剤師・リハビリテーション療法士・臨床検査技師・放射線科技師・臨床工学士・管理栄養士・事務職員等数多くのコメディカルスタッフとの共同作業が不可欠です.「チーム医療」を通じて得られる達成感や感激を分かち合い,その素晴らしさを実感する,その貴重な経験が,疾患ではなく患者さん一個人と向き合う力となり,社会性溢れた医療人形成につながると考えています.
初期臨床研修医を目指している皆さん,当院は全ての診療科が揃ったいわゆる総合病院ではありません.当院だけでは初期臨床研修を完結できないというハンディキャップはありますが,デメリットとは考えておりません.当院で研修できない領域については,魅力的な複数の協力型病院と連携し研修を実施しており,異なる環境で多様な研修ができることは逆にメリットと考えています.
是非当院で医師としての第一歩を踏み出してみませんか.力になりたいと思っています.