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診療放射線科

ご挨拶

当院の放射線科には最新鋭の装置が装備されています。一般撮影装置や骨密度測定装置、マンモグラフィー、CT、MRI、RI検査などからさまざまな画像情報を収集し的確な診療情報をすばやく医師に提供しています。さらに、専門の読影医による最新の放射線画像診断システムによって正確な診断を行っています。また、血管撮影装置でのカテーテルを使用した血管内治療では、治療前検査の画像情報により安全かつ効率のよい治療に結びついています。これからも患者さんにとって安全で快適に検査・治療を受けていただけますよう診療放射線科職員一同努力していきます。

一般撮影装置(CRシステム)

一般撮影装置(CRシステム)

胸部、腹部や骨の撮影を行います。胸部撮影では心臓・肺野などの様子を正面・側面から撮影します。
腹部撮影では腸管のガスや結石などが撮影目的になります。骨の撮影は、骨折の有無や関節などの状態を調べる検査です。
CR(Computed Radiography)とは、特殊な感光板(IP)で受けたX線を画像読取装置でスキャンし、コンピューター処理によりデジタル化するものです。デジタル化することにより、撮影後にコンピューターでの画像処理も可能です。また、撮影した画像はすぐに病院内のどのパソコンからも読影可能です。

パノラマ撮影装置

頭部の周囲を17秒かけてまわり、歯や顎骨全体を撮影します。

骨密度測定装置

2種類の異なるエネルギーのX線を照射し、骨と軟部組織の吸収率の差により骨密度を測定します。検査時間は部位にもよりますが、腰椎部分では検査台の上で数分仰向けで寝ていただければ終了します。

透視撮影装置(FPD)

食道・胃透視、胆嚢胆管検査など。食道・胃透視は、バリウムと空気を用いて食道と胃の形、大きさ、粘膜面の状態を撮影します。
胆嚢・胆管検査は、X線透視下で内視鏡を使用して胆管・膵管の形態学的診断、閉塞・狭窄・結石の有無を検査します。この検査のことを内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)といいます。
FPDとは、Flat Panel Detector(平面検出器)のことです。FPDは従来のI.I(Image Intensifier:蛍光増倍管)よりも高画質で歪みのない画像が得られます。最大40×30cmの広い視野での透視が可能なので目的部位が効率よく検査できます。また、乗り降り時のテーブルの高さは、49cmまで下げることが可能で、車椅子や高齢の患者さんでも安全に乗り降りすることができます。

血管撮影装置(FPD)

心臓カテーテル検査と頭部・腹部血管造影検査があります。
心臓カテーテル検査は、鼠径部(足のつけ根の部分)や手首の血管からカテーテルという細い管を心臓まで進め、心臓に栄養を送る冠動脈という血管に選択的に挿入し造影剤を用いて撮影します。撮影の結果、冠動脈に狭窄が見つかればバルーン冠動脈形成術やステント留置術の治療の適応になります。
頭部血管造影検査は、鼠径部からカテーテルという細い管を頭頚部の血管まで進めて造影剤を用いて撮影します。頭部血管では、主に脳動脈瘤の存在や形態などを撮影して治療の方針を決めます。治療は、カテーテルから脳動脈瘤にコイルをつめる方法と外科的に脳動脈瘤の根元にクリップを挟む方法があります。また、頚動脈の狭窄がMRIやCTで見つかった患者さんにはCAS(Carotid Artery Stenting:頚動脈ステント留置術)の手術を行うことがあります。頚動脈の狭窄が進むと脳への血流が少なくなり、脳梗塞になることがあります。
腹部血管造影検査は、鼠径部からカテーテルという細い管を腹腔動脈と上腸間膜動脈に選択的に挿入して造影剤を用いて撮影します。主に肝臓の病変の正確な存在診断や血管内治療を目的にしています。
血管撮影装置にもFPDを搭載していて、高画質で歪みのない画像が得られます。また、頭部血管撮影の時、頭部のまわりを回転撮影しながらデータを収集することによって、脳血管を3次元表示することができ、脳血管と脳動脈瘤の位置関係がよくわかり治療に大変有用です。

CT装置

CTとはComputed Tomography(コンピュータ断層装置)の略です。CTにはシングルスライスCTとマルチスライスCTがあります。シングルスライスCTは1回転で1枚の画像しか得られないが、マルチスライスCTでは1回転で複数列の検出器から複数枚の画像が得られます。当院のCTは6列と64列のマルチスライスCTで運用しています。64列のマルチスライスCTでは、非常に高速な撮影で胸部や腹部の検査でも短い息止めでの撮影が可能です。特に動いている心臓を心電図と同期させて撮影する心臓CTはスクリーニング検査として大変有用になってきました。また、撮影した画像からコンピューターを使用し、立体的な3次元の画像を再構成して多方向からの観察ができます。

マンモグラフィー

マンモグラフィーとは、乳がんを診断する方法の一つで乳房のX線撮影のことです。触診でもわからないような早期の小さな乳がんも見つけることができます。
検査に際しては通常、片方の乳房につき2方向の撮影を行います。上半身はだかになり、乳房を専用の装置で挟み、圧迫します。これは乳房を薄くして内部の組織をわかりやすくするためです。また、X線の線量をかなり減らすことができるので被曝も減ります。圧迫の際には多少の痛みを感じることがありますが、病気を見つけるためには必要なことなのでできる限り我慢していただきます。
乳房は女性にとってデリケートな部位であるために、当院では女性技師3名が撮影を行うことになっております。

MRI検査

MRIとは、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging)の略です。この検査は、強い磁場の中に体を置き、体内の水素原子に一定の周波数の電波を照射し、そこから発生する信号を部位別の専用コイルで受信することによって画像化します。
磁場の力を使った検査であるためにX線による被曝はありません。また、造影剤を使用しなくても血管や胆嚢・胆管を撮影することができることも特徴のひとつです。しかし、強い磁場を使用して検査しているため、体内に心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方や手術などで非磁性体でない金属が体内にある方は、撮影することはできません。また、撮影室内では衣服の金属や入れ歯・補聴器・財布・磁気カード・時計などの金属製品の持込みは禁止となり、アイシャドウ・マスカラなどの金属製顔料を含む化粧は、検査前に落としていただきます。コンタクトレンズは、その中に酸化鉄などの金属を含むものがあり、装着したままMRI検査を受けると、発熱による角膜や眼球への障害の可能性があるので検査前にはずしていただきます。MRI検査には、様々な注意事項があり不明な点は、主治医や担当技師にお声掛けください。
MRI室は入ると薄暗く、四方が壁に囲まれていることで圧迫感があり、過度に緊張されることがありますが、当院のMRI室はシースルー型MRI室になっていまして大きな半透明の窓から外の光がはいることによって、開放感が得られる構造になっています。

RI検査

RIとはRadioIsotope(ラジオアイソトープ)の略で、「放射性同位元素」という意味です。
RI検査は体内に放射性同位元素で標識された放射性医薬品を直接投与して行う検査です。臓器や病変部に取り込まれた放射性医薬品から放出される微量の放射線を体外のカメラで検出し、測定します。そして、得られたデータをコンピューターで処理することにより臓器の機能や形、病変の有無を診断します。