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臨床工学科

臨床工学科 基本理念

  1. 医療機器を用いたチーム医療の一員として他の医療関係者との緊密な連携を図り、生命維持をサポートする。
  2. 各種医療機器の安全性情報等を有効に活用し、医療の安全と機器を守るという社会的使命を担う。
  3. 医療機器の専門職として医療・工学技術の発展と適正な医療の普及を目指す。
  4. 生命維持管理装置の操作および保守点検を通じ、当院独自の医療機器の管理体制を確立する。

臨床工学科のご紹介

臨床工学技士とは

臨床工学技士とは、1987年5月に制定された臨床工学技士法に基づく医学と工学の両面を兼ね揃えた国家資格です。厚生労働大臣の免許を受けて「医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする者」をいいます。生命維持管理装置とは、人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部を代替し、又は補助することが目的とされている装置をいいます。具体例としては、「人工呼吸器」、「人工心肺装置」、「血液浄化装置」、「体外式ペースメーカー」、「補助循環装置」、「人工膵臓」などがあります。医師をはじめ、看護師などと共に医療機器を用いたチーム医療の一員として生命維持をサポートしています。
臨床工学科は、呼吸・循環・代謝に関わる生命維持管理装置(人工呼吸器・人工心肺装置・人工透析装置など)の医療機器の操作及び保守管理にあたる専門の部署です。

血液浄化業務

血液浄化療法室は、3階に位置し、約150床のベッドを備えています。主に慢性腎不全患者の透析導入、急性腎不全、慢性腎不全合併症などの急性期疾患に対し、血液透析(HD)、血液濾過透析(HDF)、を中心とした治療を行っています。

透析供給/監視装置の保守点検

機械室は第1機械室、第2機械室に分かれており、多人数用透析液供給装置(第1機械室3台、第2機械室3台)にて約141台の透析監視装置へ透析液を供給しています。又、個人用透析監視装置は15台あり、これらの装置が日々安全に治療が行われるよう保守点検を行っています。
安全管理対策としては、装置の故障時、技士がすぐに駆けつけられるよう警報監視システムを設置しています。また、供給装置本体が1台故障しても隣の装置から供給できるバックアップ装置も採用しています。

血液浄化

ルーチン治療としてHD(血液透析)、AFBF、HDF(血液透析濾過)、オンラインHDF、I-HDF(間歇補充型血液透析濾過)治療などがあります。また、HCU等での出張透析に加え、CHDF(持続緩除式血液透析濾過)、PE(血漿交換)、DHP(直接血液吸着)、PA(血漿吸着)、LCAP(白血球除去療法)、CART(腹水濾過濃縮再静注法)等の実績があります。

透析液の清浄化/管理

透析液の清浄化は、患者さんの合併症や、生命予後に関与しています。透析液のエンドトキシン、細菌培養検査、水質検査においてISOまたは各ガイドラインに従い定期的に透析液を採取し、検査を行い厳格に管理を行っています。
透析液の水質を確保し、合併症を防止する観点から、透析液の製造、品質管理、設備の適正管理・改善を行うために透析機器安全管理委員会を設置しています。
また、透析液の濃度等を点検し、より安全な透析液を供給できるようにしています。

バスキュラーアクセス(シャント)管理業務

超音波画像診断装置を用いて患者さんのバスキュラーアクセス(シャント)血管を評価します。バスキュラーアクセス(シャント)血管の定期検査に加えて、穿刺困難患者さん等においてマッピング(バスキュラーアクセス(シャント)血管走行図の作成)を行い、穿刺時に使用しています。

看護業務(穿刺、回収等)

看護師とともに穿刺、回収、その他の看護業務を行っています。

透析支援システム

ソフトウェアサービス社製の透析部門システムを使用し、検査データの収集業務の省力化、透析関連業務の合理化を行っています。

スタッフ教育

血液浄化装置の適正使用を目的に看護師への講習会や勉強会を行い、さまざまな患者さんに対応するため医師、看護師と連携し、患者さんの情報を共有して業務を行うことにより、常に患者さんに対して円滑かつ安全に血液浄化が施行できるように努めています。

医療機器保守管理業務

医療機器センター

各種医療機器の保守点検、貸し出し、スタッフ教育などを行っています。
医療機器管理は、ソフトウェアサービス社製のME機器管理システムにて管理しています。
主な医療機器として人工呼吸器、生体情報モニター、輸液ポンプ、シリンジポンプ、ネブライザー、吸引器などがあります。
日常点検・定期的な精密点検を行うことで、正確で安全な医療が遂行できるように努めています。
また、各機種についての操作方法・原理などの勉強会の開催も積極的に行い、院内の各職種・スタッフが安全・的確な操作をできるように働きかけています。

主な業務内容

  • 医療機器の貸出返却
  • 医療機器基本台帳の作成
  • 新規購入時やメーカー修理後の受入検査
  • 使用後の保守点検、調整、修理
  • 点検チェックリストの作成
  • 滅菌物品や機器に付属する物品の管理
  • 保守契約機器の点検スケジュールの調整
  • 廃品の決定と購入のアドバイス、機種選定
  • スタッフへの勉強会、説明会の実施
  • MEニュースの作成、編集、発行
  • RSTへの参加
  • 使用中の人工呼吸器の点検
  • 麻酔器の保守管理

循環器業務

心臓カテーテル業務

ポリグラフを操作し心臓カテーテル検査中のバイタルサインを測定・記録管理しています。また血管内超音波検査(IVUS)、光干渉断層法(OCT)、冠血流予備比(FFR)測定の操作も行っています。緊急時には大動脈バルーンパンピング(IABP)、経皮的心肺補助(PCPS)の準備・操作も行っています。

ペースメーカー業務

徐脈性不整脈に対しての治療法としてペースメーカー植込み手術が行われます。臨床工学技士は、植込み手術における各種デバイスのプログラミング及びデータ測定を行い、植込み後も定期的なフォローアップを行っています。

医療ガス保守点検業務

液体酸素、圧縮空気、吸引、窒素、非治療用空気、酸素ボンベ等の点検を行っています。
勉強会(酸素ボンベの使用方法など)や医療ガス安全管理委員会を開催しています。

その他

  • 認定資格
    透析技術認定士、呼吸療法認定士、第一種ME技術者などを取得しています。