専門外来のご紹介
ボツリヌス外来
ボツリヌス療法とは
「眼瞼(がんけん)けいれん」や「片側顔面けいれん」に対する新しい治療法が日本でも広がりつつあります。
ボツリヌス毒素を注射するもので、対症療法ながら少ないリスクで大きな効果が得られることから期待が集まっています。当院でも定期的(毎週月曜日午前)に同療法を行っていますので紹介いたします。
「眼瞼けいれん」では両まぶたの刺激感や不快感などを感じ、まばたきが増えます。次第にけいれん頻度が増し、まぶたを開けられなくなることもありますが、確かな原因はわかっていません。「片側顔面けいれん」は、片方のまぶたのけいれんから始まり、進むと口の周りまでけいれんします。原因は、頭蓋内の血管が顔面神経を圧迫するためと考えられます。ボツリヌス療法は、ボツリヌス菌が産み出す毒素を薬品として注射し、筋肉のけいれんを止める療法です。
日本では1997年に「眼瞼けいれん」、2000年1月に「片側顔面けいれん」に保険適用となりました。症状の改善率は80~90%で、1回の注射で効果は3~4ヶ月続きます。数ヶ月おきに注射を繰り返す必要はありますが、患者さんの負担や副作用を考えるとボツリヌス療法が第一選択の治療法と考えられます。
二つの病気は、直接生命に関わるものではありませんが、顔や目という部位に症状が出るために日常生活での精神的苦痛は小さくありません。それだけに、一人で長い間悩み続けている人が多いのも事実です。そのような患者さんたちにとって、ボツリヌス療法が生活の質を大きく変える福音であることは間違いないことと思います。
医師名 | 役職 | 所属学会・資格・その他 |
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たなか はじめ 田中 一 |
院長 | 日本神経学会 日本人類遺伝学会 |